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ISO9001で必要な“文書化した情報”とは?一覧化のポイントと具体例・参考例を徹底解説!

  • 執筆者の写真: 【監修者】金光壮太(ISOトラストのコンサルタント)
    【監修者】金光壮太(ISOトラストのコンサルタント)
  • 6 時間前
  • 読了時間: 8分

ISO9001 文書化した情報とは?一覧化の具体例・参考例を徹底解説し、運用コツもわかりやすく紹介。実務を強化するヒント満載で品質管理を円滑化し、顧客満足度も向上!

▼ 目次


ISO9001 文書化した情報とは?一覧化の具体例・参考例を徹底解説し、運用コツもわかりやすく紹介。実務を強化するヒント満載で品質管理を円滑化し、顧客満足度も向上!

1. はじめに

● ISO9001で言う「文書化した情報」とは?

ISO9001では、品質マネジメントシステム(QMS)の運用を証明するうえで「文書化した情報」が重要だとされています。これは、組織が品質を管理するために必要なルールや手順、記録などのこと。具体的には、方針や基準手順書記録などが該当します。業務の進め方や実際の実績を文書化し、「会社としてどんな品質管理をしているのか」を明確に示すのが目的です。

● 本記事のゴール

本記事では、ISO9001で必要とされる文書化した情報の範囲や一覧化するポイントを中心に、具体例や参考例を用いてわかりやすく解説します。「何をどのように文書として残すべきか」「実際の管理方法はどうすればいいのか」で悩んでいる方が、記事を読んですぐに活用できるようになることがゴールです。



2. なぜ「文書化した情報」が必要なのか

● ISO9001における「文書」と「記録」の役割

ISO9001で求められる「文書化した情報」には、大きく分けて2つの種類があります。

  1. 文書: 組織の方針や手順、基準など、運用のやり方を示すもの

  2. 記録: 実際の運用結果を残すもの(検査結果や作業報告、会議議事録など)

これらを整備することで、

  • 全社員が同じルールと手順で仕事を進められる

  • 問題が起きたときに原因を追跡しやすい(トレーサビリティ)

  • 審査や顧客監査で**「どのように運営しているか」を明確に示せる**

● 審査・運用での効果

ISO9001の審査を受ける際、審査員は**「この会社はQMSを正しく運用しているか?」を文書や記録で確認します。もし必要な文書がなければ、審査で指摘を受ける可能性が高いです。逆に文書を整備し、現場もきちんと活用していると、スムーズに審査をクリアできます。さらに、社内運用面でも、文書化した情報があると社内教育や引き継ぎ、クレーム対応**などがしやすくなるメリットがあります。



3. ISO9001の要求事項と文書化した情報の範囲

● 項番 7.5『文書化した情報』の概要

ISO9001:2015の項番 7.5では、「組織は文書化した情報を必要に応じて保持し、管理しなければならない」と定義されます。ただし「この文書を必ず作らないといけない」という決まりは明示されていません。

  • 方針や目標を示す文書は必須

  • 記録(エビデンス)は、製造や施工が実際に適切に行われたことを示すために必要

● 項番 4〜10との関連性

  • 項番 4:組織の状況 → 組織の内部外部課題、適用範囲などを文書化

  • 項番 5:リーダーシップ → 品質方針や役割分担を明確に

  • 項番 6:計画 → 品質目標やリスク・機会への取り組み

  • 項番 7:支援 → 資源管理、スキル・教育などの文書

  • 項番 8:運用 → 作業手順書、検査記録、施工記録など

  • 項番 9:パフォーマンス評価 → 内部監査報告書、顧客満足度アンケートなど

  • 項番 10:改善 → 不適合や是正処置の記録



4. 「文書化した情報」一覧化の基本ポイント

1) 目的別にグルーピング

文書を一括管理しようとすると膨大になります。そこで、「目的」や「種類」ごとにグループ分けするのがおすすめです。

  • 例:上位文書(品質方針・品質マニュアル)、手順書(工程別・部署別)、記録(検査記録・クレーム記録)など。

2) 文書の重要度・使用頻度で優先順位を決める

  • 重要度: これがないと品質に重大影響が出るか?

  • 使用頻度: 現場が日々使うか、年1回程度か?これらを考慮し、よく使う文書ほど一覧表の最前面に配置すると便利です。

3) 現場使用の手順書と上位文書の区別

  • 上位文書: 品質方針や組織のルールを示すもの(例:品質マニュアル、業務フロー図)

  • 下位文書: 現場が具体的に使う作業手順書・点検表など「どの文書が上位にあたり、どの文書を参照しているのか」が一目でわかるように一覧化すると、更新や改訂時も迷いにくいです。


ISO9001 文書化した情報とは?一覧化の具体例・参考例を徹底解説し、運用コツもわかりやすく紹介。実務を強化するヒント満載で品質管理を円滑化し、顧客満足度も向上!


5. 具体的な文書・記録の例(製造業・建設業等)

● 製造業の場合

  1. 品質方針・品質目標: 経営層が示す全社的な方向性

  2. 製造手順書: 工程ごとの作業標準(組立工程、塗装工程など)

  3. 検査記録: 工程内検査や最終検査、抜き取り検査結果

  4. 設備点検記録: 設備保守や校正のスケジュール・結果

  5. 外注先管理文書: 委託先の品質基準や納品検査基準など

● 建設業の場合

  1. 施工手順書: 各施工工程(基礎、型枠、鉄筋など)の標準作業

  2. 施工計画書: 現場の進捗管理、作業内容をまとめた計画

  3. 安全管理記録: 作業員の安全教育、保護具の使用、リスクアセスメント

  4. 検査報告書: 中間検査、完成検査、顧客立ち会い報告

  5. 協力会社の品質基準書: 下請けの品質管理体制を示す文書



6. 文書化した情報を一覧化する手順【ステップ別】

1) 現状把握(棚卸し)

  • 既存の文書(電子ファイル・紙ファイル)をリストアップ。

  • 部署や工程ごとに分類し、名称・改訂日・保管場所などを記録。

2) 文書の必要性を判定

  • 「ISO9001の要求事項を満たすために必須か?」

  • 「重複している文書はないか?」

  • 「現場が活用していない文書は、削除または統合可能か?」

3) 分類(作業手順、記録、マニュアルなど)

  • 上位文書(品質マニュアル、方針)

  • 手順系文書(工程手順書、検査基準)

  • 記録系文書(検査記録、クレーム記録)

  • ExcelやGoogleスプレッドシートで一覧表を作ると見やすい。

4) ドラフト作成と管理ルール策定

  • 例:文書番号の付与方法、改訂履歴の記載ルールなどを決める。

  • バージョン管理を明確にして、古い文書と最新版が混在しないよう注意。

5) トップマネジメントの承認と周知

  • 経営層の最終承認を得て、全社員に周知

  • 例:社内ポータルに「文書一覧リスト」を公開し、どこからでもアクセスできるように。



7. 参考例・テンプレート紹介

● 一覧表形式のサンプル

  • 項目例: 文書名、文書番号、作成部門、最終改訂日、次回見直し日、保管場所、責任者

  • 例:Excelで「A列:文書名」「B列:担当部署」「C列:改訂日」などにして管理。

  • 私の経験では、クラウド上のスプレッドシートにすることで、誰でも最新版が確認でき便利でした。

● 文書管理システム(DMS)の活用例

  • クラウド型DMSを導入すると、文書のバージョン管理や検索が簡単に。

  • 大規模企業や多拠点運営の場合は、アクセス権限や自動改訂通知などの機能があるDMSが重宝される。



8. 運用面で押さえるべきコツ

● 内部監査やレビューで定期的に更新

  • 文書管理ルールに「年1回の定期見直し」や「内部監査の結果に基づく改訂」などを盛り込み、放置を防止

  • 例えば、検査項目が変わったらすぐ記録様式も改訂し、共有する仕組みを作る。

● 現場の意見を取り入れる

  • 文書は管理部門だけで作成しても実態とズレがち。

  • 実際に使う現場リーダーや作業者の意見をヒアリングし、分かりやすい形へフィードバックを反映することが重要。

● トップダウンとボトムアップの両立

  • 経営層からの指示でルールを一気に変えても、現場が納得していなければ形骸化しやすい。

  • 経営方針と現場のニーズをバランスよく吸い上げるプロジェクトチームを組むとスムーズ。



9. よくある失敗事例と対策

● 必要以上に文書が増えすぎて誰も読まない

  • 原因: ISO9001のClauseを全部コピペ→膨大なマニュアル

  • 対策: 規格要件を最低限満たすか確認し、詳細な作業は作業手順書へ分離。定期的に不要書類を削除。

● 一度作ったら放置される

  • 原因: 改訂ルールや責任者が曖昧、誰も更新しない

  • 対策: 定期的な内部監査で「文書が古くないか」をチェック。改訂履歴を明示。

● 文書管理担当者にすべて丸投げ

  • 原因: 部署間連携がなく、担当者だけが苦労している

  • 対策: 部署横断のチームや定期会議を設け、全員で意識を共有する。


ISO9001 文書化した情報とは?一覧化の具体例・参考例を徹底解説し、運用コツもわかりやすく紹介。実務を強化するヒント満載で品質管理を円滑化し、顧客満足度も向上!


10. 実務活用:審査や顧客監査での見せ方

● 審査員がチェックするポイント

  • 文書に書かれているルールと実際の運用にズレはないか?

  • 記録(エビデンス)がきちんと残っているか?

  • 文書が最新版であることをどう保証しているか?

● 顧客監査(第二者監査)でのアピール

  • 一覧表やフローチャートを活用して、どんな文書があり、誰が管理しているかを一目でわかる形にすると、監査側の理解が深まる。

  • 例:外部顧客が来る前に一覧表をアップデートし、担当者名や改訂日の整合を確認。



11. まとめ:文書化した情報を正しく一覧化して運用強化

  1. 文書化した情報はISO9001の“土台”

    • 品質方針や手順、記録が整ってこそ、実際の業務がスムーズに進む。

  2. 適切に一覧化すれば、監査対応も品質改善もラクになる

    • ExcelやDMSを使って可視化し、最新状態をキープ。

  3. 継続的な見直しと現場の声が鍵

    • 放置するとすぐに形骸化するため、定期的な内部監査やレビューでアップデート。

ISO9001の文書化した情報を一覧化して管理することで、監査や顧客対応がスムーズになり、クレーム対応やトラブル時の原因追究にも役立ちます。ぜひここで紹介したステップやポイントをもとに、あなたの組織の文書管理体制を強化してみてください。

おわりに

ここまで、「ISO9001で必要な“文書化した情報”とは?一覧化のポイントと具体例・参考例を徹底解説!」というテーマで、文書化の意義や運用ノウハウをまとめました。自社の業務フローや手順をしっかり見直し、ISO9001に適合しながらも現場にとって使いやすい文書管理体制を作り上げてみてください。

ISO9001 文書化した情報とは?一覧化の具体例・参考例を徹底解説し、運用コツもわかりやすく紹介。実務を強化するヒント満載で品質管理を円滑化し、顧客満足度も向上!

この記事の監修者情報

金光壮太 (ISOコンサルタント)

大手商社にて営業を経験した後、ISOコンサルティングに従事。ISO9001、14001、27001を中心に、各業界の課題や特性に応じたシステム構築や運用支援を行い、企業の業務効率化や信頼性向上に貢献。製造業や建設業など、多岐にわたる業界での豊富な経験を活かし、お客様のニーズに応じた柔軟なソリューションの提案を得意としている

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