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ISO9001で言う“重大な不適合”と“軽微な不適合”とは?具体例から学ぶわかりやすい対策法!

  • 執筆者の写真: 【監修者】金光壮太(ISOトラストのコンサルタント)
    【監修者】金光壮太(ISOトラストのコンサルタント)
  • 4月21日
  • 読了時間: 9分

ISO9001の重大な不適合と軽微な不適合を具体例でわかりやすく徹底解説!初心者向け対策で形骸化を防ぎ、品質向上とコスト削減を実現する改善法をさらに詳しく紹介

▼ 目次


ISO9001の重大な不適合と軽微な不適合を具体例でわかりやすく徹底解説!初心者向け対策で形骸化を防ぎ、品質向上とコスト削減を実現する改善法をさらに詳しく紹介

1. はじめに

1.1. 本記事の目的と想定読者

ISO9001を運用する中で“不適合”の指摘を受けると、「重大な不適合と軽微な不適合の違いは?」「どんな対策が必要?」と戸惑うことがあります。本記事では、“重大”と“軽微”が指す具体的な意味実際の不適合事例をわかりやすく紹介し、どのように改善すれば品質向上やコスト削減につながるのかを解説します。

  • 本記事の目的:

    1. 「重大な不適合」と「軽微な不適合」の具体的な違いと判断基準を初心者でも理解できる

    2. 他社の失敗例や改善事例を通じて、形骸化ではなく実際の品質向上に役立つ対処法を示す

    3. 不適合を“悪いもの”と捉えるだけでなく、“改善のチャンス”に変える視点を身につける

  • 想定読者:

    • これからISO9001を取得しようとしている初心者・担当者

    • 運用中だが“不適合”への対応に悩み、審査やクレーム対策を強化したい管理責任者

    • 経営者や品質管理のリーダーとして、不適合の本質を知り、企業体質を改善したい方

1.2. なぜ“不適合”が重視される?ISO9001での考え方

  • ISO9001では、ルール(規格や自社の手順)と実際の活動が食い違った状態を「不適合」と呼び、早期発見・対策が求められています。

  • 不適合を放置すると、顧客クレームや製品不良など大きな問題に発展するリスクが高いです。

  • 逆に、不適合をきちんと是正処置・再発防止につなげれば、クレーム削減・コスト最適化・納期遵守など多くのメリットが得られます。

初心者向け用語解説

  • 不適合: “規格や自社ルールに合っていない”状態

  • 是正処置(Corrective Action): 不適合が起きた後に原因を除去し、再発防止する活動

  • リスクベース思考: 不適合を起こすリスクを事前に評価し、予防策を立てる考え方

1.3. この記事で得られるメリット

  1. 「重大」と「軽微」の違いが分かり、指摘を受けた際の対応イメージが掴める

  2. 具体的な失敗・成功事例を通じて、同じトラブルを回避する改善法が分かる

  3. コンサル視点のアドバイスを参考に、形だけでなく“本当に役立つ不適合対策”を実現できる



2. 不適合とは?ISO9001での基本的な定義

2.1. “規格や自社ルールとのズレ”としての不適合

  • ISO9001や社内規定が要求していることを守れていない状態→ 不適合

  • 例: “製品検査を必ず2人で確認する”ルールを実際は1人で済ませている→ 不適合

  • コンサルTIP: 不適合はあくまで“ズレ”→ それ自体が悪いではなく“改善チャンス”と捉える

2.2. 不適合発覚の主な場面:審査・内部監査・現場クレーム

  • 外部審査員が審査時に発見(Stage1, Stage2審査、サーベイランスなど)

  • 内部監査で現場チェック→ 書類や作業不備を指摘

  • 日常業務やクレーム発生で気づく→ “製品不良が多い”“手順書とやってることが違う”

  • 注意: 発見が遅れるほど被害拡大→ 早期発見がベスト

2.3. “重大”と“軽微”の違いを理解する意義

  • 重大な不適合: システム全体の欠陥や法令順守に関わる問題→ 放置すれば認証取消リスク

  • 軽微な不適合: 単発のルール違反や一部漏れ→ 早期対策で大問題化を防げる

  • コンサル視点: まず不適合を正確に把握→ 優先度を付けて対策するのが重要



3. 重大な不適合と軽微な不適合の違い

3.1. 重大な不適合:システム崩壊や重大リスクに直結

  • 特徴:

    • 企業の品質管理システムが機能していない

    • 繰り返し指摘されているのに是正しない

    • 顧客や法令への影響が大きい(製品リコールや安全問題など)

  • : “検査工程が全く実施されておらず、不良品が大量出荷”→ 重大

  • リスク: 認証停止、取引停止、法的トラブル

3.2. 軽微な不適合:部分的なルール違反や単発ミス

  • 特徴:

    • 企業のQMSに致命的影響を与えるほどではない

    • その場で是正処置を行えば解決可能

  • : “記録に承認印が押されていない”“検査を1回忘れたが再度実施してOK”

  • 注意: 軽微でも同じような不備が繰り返される→ “重大”に発展する恐れ

3.3. 境目があいまいな場合の判断基準

  • 審査員の総合判断: 影響範囲、再発の可能性、組織の対応姿勢を見て「重大or軽微」を判定

  • コンサル視点: 同じ不備が何度も繰り返される→ 重大とみなされるリスクが高い



4. 具体例:重大な不適合・軽微な不適合

4.1. 重大な不適合:具体例

  • 例1: 検査ルールが存在しない、または形骸化→ 不良品の連続出荷→ 顧客クレーム多発

  • 例2: 重要工程(溶接、加熱処理など)で全く手順書がなく、作業者任せ→ 大きな品質事故

  • 例3: 内部監査で毎回同じ不備を指摘→ 改善策ゼロで再発→ 審査員が重大不適合と判断

4.2. 軽微な不適合:具体例

  • 例1: 文書の承認印を一部忘れ→ 大きな影響なし→ すぐに押印し是正

  • 例2: 受入検査のサンプル数が規定より少なかった→ 迅速に追加検査し問題なし

  • 例3: 設計変更の届出が遅れたが、他部門には影響小→ 次回から手順を見直せば解決


ISO9001の重大な不適合と軽微な不適合を具体例でわかりやすく徹底解説!初心者向け対策で形骸化を防ぎ、品質向上とコスト削減を実現する改善法をさらに詳しく紹介


5. 失敗例:重大・軽微の区別が曖昧なまま放置

5.1. 事例1:製造業A社が“軽微”と思い放置→ 同じ不適合が再三発生し重大化

  • 状況: 受入検査の記録漏れを「小さなこと」と扱い放置→ 実は大きな不良原因を見逃し、クレーム頻発

  • 結果: 顧客が離れ、内部監査でも“改善意欲なし”と評価→ 認証維持が危うくなる

  • 学び: 軽微でも根本原因を見ずに放置→ 結局重大不適合に進行するパターンが多い

5.2. 事例2:IT企業B社が重大不適合を軽視→ 認証停止

  • 原因: 要件定義やテスト工程が“全く”行われず、ソフトリリースで不具合大量発生

  • 審査: “システム運用が崩壊している”とみなされ重大不適合→ 是正要請を形だけ回答→ 結果、認証停止

  • コンサル視点: 大規模な欠陥は、トップや管理層が直接動き再設計しないと解決が難しい



6. 原因と対策:重大・軽微それぞれの改善アプローチ

6.1. 重大不適合へのアプローチ

  • ステップ:

    1. 経営層が緊急対処チームを結成し原因分析

    2. 根本原因を排除: 必要あればシステム・人員・設備の大幅見直し

    3. 全社的に再発防止策を導入→ PDCAで効果確認

  • : 全く検査をしていなかった→ 新たに検査工程と専任者を配置し、手順書と監視システムをセット導入

6.2. 軽微な不適合へのアプローチ

  • ポイント: 素早く是正処置し、同種のトラブルが潜在化していないか確認

  • : 記録漏れ発生→ 原因: 担当者が認識不足→ 教育or 手順書改訂で再発防止

  • コンサルTIP: 軽微なら担当レベルで解消しやすいが記録と報告は必須→ 小さな不適合もPDCAに活かす

6.3. 対応の優先度設定

  • 重大不適合→ 全社優先で即対策、トップがリーダーシップ発揮

  • 軽微不適合→ 担当レベルで速やかな修正→ 定期監査で効果確認

  • リスクベース思考: 影響度が大きい不適合からリソースを集中するのが合理的



7. 内部監査・外部審査で不適合を早期発見するコツ

7.1. 形だけでない監査手法:現場観察&ヒアリング

  • やり方: 書類と現場を突合→ 作業者に直接質問して“手順通りか”確認

  • 他社事例: 製造業C社で監査員がラインスタッフに聞き取り→ 隠れたミスを多数発見→ 早期に是正しクレーム削減

7.2. チェックリスト活用&部門ローテーション

  • 部門ローテ: 同じ部署を毎回同じ人が監査すると慣れ合い→ 他部署の監査員が新しい視点を提供

  • メリット: 部門間理解が深まり、共通ルールが徹底しやすい

7.3. トップや管理職の関与

  • 重大不適合の場合、経営層が素早くリソース投入を決定→ 改善を加速

  • 失敗回避: トップが“ISOは現場任せ”と思っている企業では、重大不適合でも後手対応→ 認証取り消しの危険



8. Q&A:重大な不適合・軽微な不適合に関する初心者の疑問

8.1. 「重大不適合と判定される基準は?」

  • 回答: 影響範囲が大きい、システム的に欠陥があり再発可能性が高い、以前指摘された問題を放置→ 重大とみなされる

  • TIP: 審査員は“リスクや再発防止策の有無”を総合的に見て判定

8.2. 「軽微不適合はいつ直せばいい?」

  • 回答: 見つけ次第、できるだけ早く是正→ 次回監査までに効果確認できればOK

  • コンサル視点: 小さな不適合を溜め込むと重大化リスク→ 迅速に処理

8.3. 「不適合が多いと認証停止になる?」

  • 回答: 多くても迅速な是正&システム改善があれば維持可。繰り返し同じ問題→ 認証停止の可能性

  • 注意: 見つかった不適合を誠実に改善する企業は評価されやすい

8.4. 「社内ルール違反も不適合?」

  • 回答: 自社の定めた手順や規定もQMSの一部→ 違反すれば不適合扱い

  • メリット: 自社ルールを守ることで組織全体の品質水準を上げられる



9. まとめ:ISO9001の“重大な不適合”と“軽微な不適合”とは?初心者向けに具体例でわかりやすく原因と対策を徹底解説

9.1. 記事の総括:ポイントの再確認

  1. 重大 vs. 軽微: 企業の品質管理システムへの影響度や再発可能性が判定基準→ 重大なら早急な全社的対応が必要

  2. 具体例: 文書管理ミス、検査形骸化、設計工程無視など→ 放置すると大きなクレームやコスト増

  3. 失敗リスク: クレーム多発、認証取り消し、モチベ低下など→ 形だけ対応に注意

  4. 改善策: 是正処置の徹底(根本原因把握)、内部監査強化、PDCA運用→ 不適合を改善のチャンスに

  5. 形骸化防止: トップのリーダーシップ、部門ローテ監査、社員教育→ 不適合をネガティブに捉えず成長機会へ

9.2. 今後のアクション:初心者が取り組むべきステップ

  1. 不適合事例リスト化: 過去や現在の不適合を洗い出し、重大or軽微を仕分け

  2. 内部監査強化: チェックリストやローテーション活用→ 早期発見で手戻り防止

  3. 是正処置のレベルアップ: 根本原因を掘り下げ、再発防止策をシステム的に組み込む

  4. PDCAサイクル: 改善成果を評価し次の課題へ→ ISO9001を本当の意味で活用する

あとがき

ISO9001の不適合には、大きく分けて**“重大な不適合”“軽微な不適合”があり、それぞれ影響度や再発の可能性によって判断されます。重大な不適合は企業システムを揺るがす問題で、認証取り消しのリスクすらありますが、軽微だからといって放置すると後々重大化する恐れも。本記事の具体例や改善ポイント**を活かし、内部監査や経営レビューで早期に不適合を見つけ、根本原因を取り除くことが品質向上とコスト削減への近道です。形骸化ではなく、**不適合を“改善のチャンス”**として捉え、継続的にPDCAを回すことで、顧客満足度アップや競争力強化へ繋げましょう。

ISO9001の重大な不適合と軽微な不適合を具体例でわかりやすく徹底解説!初心者向け対策で形骸化を防ぎ、品質向上とコスト削減を実現する改善法をさらに詳しく紹介

この記事の監修者情報

金光壮太 (ISOコンサルタント)

大手商社にて営業を経験した後、ISOコンサルティングに従事。ISO9001、14001、27001を中心に、各業界の課題や特性に応じたシステム構築や運用支援を行い、企業の業務効率化や信頼性向上に貢献。製造業や建設業など、多岐にわたる業界での豊富な経験を活かし、お客様のニーズに応じた柔軟なソリューションの提案を得意としている

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