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ISO9001の是正処置報告書とは?書き方を具体例でわかりやすく解説し、失敗を防ぐポイントを紹介!

  • 執筆者の写真: 【監修者】金光壮太(ISOトラストのコンサルタント)
    【監修者】金光壮太(ISOトラストのコンサルタント)
  • 4月22日
  • 読了時間: 10分

ISO9001の是正処置報告書を具体例でわかりやすく解説!原因分析や再発防止策の書き方を学び、失敗を防ぎ品質を向上し、さらに審査対策や実務に幅広く役立てます!

▼ 目次


ISO9001の是正処置報告書を具体例でわかりやすく解説!原因分析や再発防止策の書き方を学び、失敗を防ぎ品質を向上し、さらに審査対策や実務に幅広く役立てます!

1. はじめに

1.1. 本記事の目的と想定読者

ISO9001を運用中に“不適合”が起きたとき、「是正処置報告書をどう書けばいいのか?」と悩むことがあるでしょう。せっかく問題を発見しても、報告書が形だけで終わってしまうと再発防止や品質向上に結びつかず、同じミスを繰り返す危険が大きいです。本記事では、是正処置報告書の本質具体的な書き方の流れ、そして形骸化しないためのコツを初心者向けに解説します。

  • 本記事の目的:

    1. ISO9001における是正処置報告書の役割や基本的な書き方を、具体例を交えて分かりやすく説明

    2. コンサル経験や他社事例から得たポイントを踏まえ、実務で活きるノウハウを紹介

    3. 報告書を“形式的な提出物”にせず、品質管理の改善ツールとして活かす視点を提供

  • 想定読者:

    • ISO9001導入・運用の初心者で、是正処置報告書の書き方を学びたい方

    • 審査や内部監査で不適合を指摘されるが、報告書づくりが形骸化しがちな担当者

    • 本当にクレーム減・コスト削減・顧客満足度UPを目指し、報告書の質を高めたい管理者や経営層

1.2. ISO9001での“是正処置報告書”の役割とは?

  • 不適合: ISO9001や自社ルールの要求事項と、実際の作業が合わない状態。ここでの「是正処置報告書」は、不適合が発生したあと、原因と対策を整理し再発防止を明文化するための公式文書です。

  • 重要性: 不備を見つけた際、口頭で「あ、直します」で終わらないよう、誰がいつまでに何をどう直すのかをはっきり書き、形骸化しない改善を促す仕組みとして機能します。

初心者向け用語解説

  • 不適合: “決めたルールや規格に沿っていない”状態(例:検査工程が省略される、書類の承認が無い など)

  • 是正処置: 不適合の原因を除去し、再発防止策を実施する活動

  • 報告書: 不適合の詳細、原因、対策、効果確認をまとめたもの。審査や監査で確認される

1.3. この記事で得られるメリット

  1. 具体的な書き方: 報告書に何をどの程度書けば良いのかイメージできる

  2. 失敗事例と成功事例をもとに、形骸化を防ぎ実務改善につなげるノウハウが得られる

  3. コンサル視点: 外部審査員や経営層がどこを見るのかを理解→ 認証維持や品質向上の効果UP



2. ISO9001の是正処置報告書とは?

2.1. 是正処置報告書の基本的な意味

  • 不適合が発生した際、その原因と対策を明記し、再発防止策を徹底するための重要文書

  • 目的: 単なる応急措置で終わらず、組織的に同じエラーを起こさない仕組みを作ること

  • コンサルTIP: 報告書を蓄積し、社内共有することで“過去の失敗事例”として活かせる→ 同種不備を迅速に解決

2.2. なぜ重要?審査・監査で必ずチェックされる要素

  • 外部審査や内部監査で不適合が見つかった際、「どう直したか・再発防止策は?」と確認される

  • 形骸化の危険: 書面だけ整えて実際に対策せず→ 同じ不備を繰り返す→ “真の改善がない”と判断される

2.3. 報告書が形骸化するリスク

  • “とりあえずテンプレ埋めればOK”状態→ 実行や効果確認がなされない

  • 他社事例(製造業A社): 毎回同じ文言で書く→ 実は全く対策できておらずクレーム頻発→ 審査員から低評価



3. 是正処置報告書の書き方:基本ステップ

3.1. ①不適合の詳細記載

  • 何が起きたのか? いつ・どこで・何が不備だったのかを客観的事実で書く

  • コンサル視点: “漠然と書く”と後々原因分析で混乱→ 事実ベースで日時や工程、写真など根拠を付ける

  • : 「○月○日、ライン○で検査スキップ→ 不良が出荷されクレーム発生」

3.2. ②原因分析(根本原因の追究)

  • なぜ起きた? “5Why”(何度も「なぜ?」を繰り返す)や特性要因図など分析手法を活用

  • : “検査員がいない”“マニュアルが不明”“人手不足で時間がなかった”など深堀り

  • 注意: 表面的原因(担当者のミス)だけにしない→ 組織的問題(教育不足、手順書不備)を捉える

3.3. ③是正処置(対策)と担当・期限設定

  • “誰が・何を・いつまでに”行うかを明確化→ 曖昧だと責任転嫁or スルーされがち

  • : 「品質管理部が1週間以内に検査マニュアルを改訂し、人員配置を見直す→ 部長が承認」

  • コンサル視点: このステップの具体性が報告書の命→ “実行できるプラン”がないと絵に描いた餅

3.4. ④効果確認と再発防止策

  • 効果確認: “いつ何をもって改善成功とするか?”→ 不良率やクレーム件数など測定

  • 再発防止策: 仮に同様の不備が起きないようルールや教育を恒常的に変更

  • : 「1ヶ月後、検査漏れが0件ならOK→ 定期的に監査して追跡」

  • TIP: ここを省くと“ちゃんと直ったのか”が不明→ また同じ不適合が生じる

3.5. ⑤承認・記録の保存

  • 報告書の最終承認(責任者・部門長・経営者)を得て正式文書化→ 次回監査や再発時の参考

  • メリット: 社内で横展開し、似た不備を防ぐヒントに→ 組織全体の品質意識が上がる



4. わかりやすい具体例:実際の是正処置報告書

4.1. 製造業:部品検査漏れによる不良出荷の対策例

  • 不適合内容: ライン○にて受入検査工程が省略→ 不良品が出荷→ 顧客クレーム

  • 原因分析: (1)人員不足 (2)検査手順書に担当不在時の対応記載なし

  • 是正処置:

    • 検査シフト再編(1週間以内)

    • 手順書に“代行担当の明確化”追記

    • 現場スタッフへ2日後までに教育実施

  • 効果確認: 月末に不良率を比較→ 減少を確認し、記録添付

  • 承認者: 品質課長→ 最終で経営者がサインし保管

4.2. IT企業:要件定義ミスでバグ多発→ 改善報告書例

  • 不適合: 要件定義が曖昧→ 開発途中で大幅変更→ バグ多発・納期遅延

  • 原因: (1)顧客要望をヒアリングせずに開発開始 (2)要件定義会議が形式的

  • 対策:

    • 新たに顧客承認ステップを要件定義に追加→ 担当=PM、期限=2週間以内

    • プロトタイプを作り早期に顧客確認→ ITツール導入

  • 効果確認: 次プロジェクトでバグ件数と納期厳守率を計測→ 成果を報告書に添付

  • 承認: 開発部長、経営レビュー会議で承認


ISO9001の是正処置報告書を具体例でわかりやすく解説!原因分析や再発防止策の書き方を学び、失敗を防ぎ品質を向上し、さらに審査対策や実務に幅広く役立てます!


5. 失敗を防ぐ:是正処置報告書が形骸化しないために

5.1. トップや管理職の関与・承認

  • 注意: 報告書を現場だけで作って終わり→ 改善策実行に必要な予算・人員が確保されず停滞

  • 成功例(製造業C社): 部品不良多発の報告→ 経営者が報告書を直接確認し、人員増を決定→ 短期で不良率減少

5.2. 部門横断レビューで多角的に検証

  • メリット: 原因が複数部門に跨る場合、一部門だけで書いた報告書では不十分

  • 他社事例(IT企業D社): 開発部門だけでなく品質・営業・サポートも集まり対策を議論→ 報告書内容が現実的に実行されやすい

5.3. 内部監査・経営レビューを活用

  • 内部監査: “報告書に書いた是正処置が本当に実行されているか?” “効果確認はした?”をチェック

  • コンサル視点: 定期的にフォローアップしないと“書いただけ”で放置され再発必至

  • 経営レビュー: 重大な不適合にはトップが追加リソースを投入→ 素早い改善が可能



6. 内部監査・外部審査で好評価を得る報告書のポイント

6.1. 具体的・数値で表した原因分析と対策

  • : 「不良率が通常3%→ 今回5%に増加。原因= 検査工数不足で検査実施率60%」など

  • コンサルTIP: “なんとなく”ではなくデータ付き→ 審査員に分かりやすく、対策効果も評価しやすい

6.2. 再発防止策がシステム化されている

  • 失敗例: 「気をつけるよう指導」だけ→ 人頼みで再発可能性大

  • 成功例: 手順書を改訂→ 担当者を明確化→ 記録システム導入→ 再発率大幅低下

6.3. 改善後のモニタリングと効果確認

  • やり方: “いつ”“どの指標”を見て成果とするのか明示→ 報告書にも書き、達成時は記録に添付

  • : クレーム件数、バグ発生率、製品不良率など→ 目標未達なら追加対策へ



7. Q&A:是正処置報告書に関する初心者の疑問

7.1. 「軽微な不適合でも是正処置報告書が必要?」

  • 回答: 原則必要。小さなミスを積み重ねると重大トラブルに繋がる→ 記録・改善を徹底することで品質意識が社内に広がる

  • 事例: “単発の印鑑押し忘れ”でも原因は教育不足→ すぐ是正し、再発防止を報告書化

7.2. 「報告書はどこまで詳しく書けばいい?」

  • 回答: 原因・対策・担当・期限などの基本は必須→ なぜ起きたか、どう再発防止するかをしっかり記載

  • コンサルTIP: 形骸化を避けるため、具体性(データ、責任者)を落とし込む

7.3. 「書式はどう作ればいい?テンプレある?」

  • 回答: 自社ルールに沿えばOK→ 要件(不具合概要、原因、対策、効果確認)を満たせれば形式は自由

  • 実例: 社内ポータルやエクセルで簡単なフォーマットを用意→ 全社員が使いやすい形にカスタマイズ

7.4. 「どのタイミングで承認を得る?」

  • 回答: 通常は報告書完成→ 部門長や品質管理責任者が承認→ 重大な場合は経営層も承認

  • メリット: 経営レベルで対策を把握→ 必要な予算や人材の確保が早まる



8. 成功事例:是正処置報告書で大幅改善した企業

8.1. 事例1:製造業E社が不良品を半減

  • 背景: 出荷前検査の形骸化→ 大量不良出荷&クレーム多発

  • 報告書: 不適合の詳細(検査工程スキップ)+ 原因(検査担当が不在時、代行手順なし)+ 対策(検査当番制&マニュアル改訂)

  • 効果: 2ヶ月後不良品半減、顧客クレーム減少→ 社員モチベUP

  • ポイント: “数値で効果確認”し、報告書を社内共有→ 同様の検査ミス防止

8.2. 事例2:IT企業F社がバグ件数を短期削減

  • 問題: 開発中に仕様変更が頻発→ バグ多発、顧客納期オーバー

  • 対策報告書: 原因= 要件定義が曖昧、プロトタイプ不足→ “顧客承認ステップ追加”“要件定義書に署名必須”など導入

  • 成果: バグ発生率がリリース後50%減、顧客満足度UP→ 新規受注も拡大

  • 学び: 報告書で“具体的対策”をしっかり記載→ 開発チーム全体が目標を共有



9. まとめ:ISO9001の是正処置報告書とは?書き方を具体例でわかりやすく解説し、失敗を防ぐポイントを紹介

9.1. 記事の総括:ポイントの再確認

  1. 是正処置報告書: 不適合発生後に原因と対策、再発防止策を明文化→ 形骸化を防ぎ、品質を上げる鍵

  2. 書き方の流れ: (1)不適合詳細 (2)原因分析 (3)是正対策&担当・期限 (4)効果確認 (5)承認・保存

  3. 具体例: 検査漏れ→ 原因= マニュアル不備、人員不足→ 対策= 担当定義&フロー改訂+ 教育

  4. 形骸化防止: トップの承認、部門横断的なレビュー、内部監査の徹底

  5. 成功事例: 報告書をしっかり書き、システム的に対策→ 不良やクレーム大幅減

9.2. 今後のアクション:初心者が取り組むべきステップ

  1. 過去の不適合を洗い出す: 報告書があるか確認、無いなら急いで作成

  2. 書き方フォーマットを整理: 誰でも書きやすいテンプレートに、根本原因と再発防止策項目を必須化

  3. 内部監査でフォロー: 報告書通りに対策実行されたか? 効果は?→ PDCAサイクル強化

  4. 情報共有: 成功事例は社内ポータルや勉強会で紹介→ 他部署にも水平展開

あとがき

ISO9001の是正処置報告書は、不適合が起きたときの公式な“改善プラン”と考えてください。しっかり原因を分析し、対策と責任者・期限を明記し、効果確認も行うことで、同じ問題を繰り返さない強い品質管理体制が育ちます。本記事の具体例や書き方のポイントを活かして、形骸化しない報告書運用を目指しましょう。経営層や部門間で報告書を共有し、是正処置を全社的にバックアップすれば、クレーム削減・コストダウン・顧客満足度UPなど、ISO9001の本来のメリットを大きく引き出せるはずです。

ISO9001の是正処置報告書を具体例でわかりやすく解説!原因分析や再発防止策の書き方を学び、失敗を防ぎ品質を向上し、さらに審査対策や実務に幅広く役立てます!

この記事の監修者情報

金光壮太 (ISOコンサルタント)

大手商社にて営業を経験した後、ISOコンサルティングに従事。ISO9001、14001、27001を中心に、各業界の課題や特性に応じたシステム構築や運用支援を行い、企業の業務効率化や信頼性向上に貢献。製造業や建設業など、多岐にわたる業界での豊富な経験を活かし、お客様のニーズに応じた柔軟なソリューションの提案を得意としている

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