初心者向け!ISO9002とISO9001の違いとは?わかりやすくポイントを徹底解説!
- 【監修者】金光壮太(ISOトラストのコンサルタント) 
- 4月30日
- 読了時間: 8分

▼ 目次
1. はじめに
1.1. 本記事の目的と想定読者
ISO9001やISO9002のことを調べていると、「ISO9002はもうないって聞いたけど本当?」「ISO9001とどう違うの?」と疑問を持つ方が多いように感じます。特に、これからISO9001を取得したい企業の担当者や、昔ISO9002を聞いたことがあるけど詳しい内容を知らない方もいるでしょう。本記事では、ISO9002の歴史や特徴と、ISO9001への統合の背景・メリットをわかりやすくまとめています。初心者でも理解しやすい言葉を使い、コンサル現場での経験や他社の成功事例も交えながら、「じゃあ、今はどうすればいいの?」という疑問に答えます。
1.2. なぜISO9002とISO9001の比較が重要?
- ISO9002は以前のISO9000ファミリーの1つで、主に“設計以外の製造・施工工程”だけを対象としていました。 
- 2000年版の改訂以降、ISO9001に統合され、いまはISO9002の認証を取得できない状態。 
- 初心者向け用語解説: - ISO9000ファミリー: かつてISO9001/9002/9003に分かれていた規格の総称 
- ISO9002: 設計開発を除いた製造・施工工程用 
- ISO9001: 設計開発も含めた、より総合的な品質マネジメント規格 
 
- 両者の違いを理解すると、現在のISO9001で何がカバーされているか明確になり、企業が目指す品質管理の方向性も見えてきます。 
2. ISO9002とは?かつて存在した規格の概要
2.1. ISO9000ファミリーの歴史:9001、9002、9003の役割
- 1994年版では、以下3つの規格がありました: - ISO9001: 設計・開発〜製造・施工、サービス提供まで含む総合規格 
- ISO9002: 設計・開発を除いた製造・施工の品質保証 
- ISO9003: 製品検査・試験に特化した規格 
 
- プロの視点: 設計要件がない企業(下請製造など)はISO9002、単純な最終検査だけならISO9003を選ぶといった使い分けがされていました。 
2.2. ISO9002の主な特徴と適用範囲
- ISO9002は、「設計開発を行わない企業」を対象にした品質マネジメント規格。 
- 工場での製造や施工現場の品質管理が主眼→ 設計フェーズが不要なので、その分要件が少なかった。 
- 他社事例(製造業A社): 受託生産専業で自社の設計部門なし→ ISO9002認証を取得して顧客への品質アピールを行っていた。 
2.3. ISO9002からISO9001への統合の背景
- 2000年版改訂で、「設計を行わない企業でもISO9001の設計要件を適用除外として使える」仕組みに変更→ ISO9002は不要となり、すべてISO9001へ一本化されました。 
- コンサルTIP: この改訂により“ISO9002企業”は順次ISO9001へ移行する必要が生じた。現在はISO9002規格自体が廃止され、認証取得できません。 
3. ISO9001とは?最新版の概要
3.1. ISO9001:2015での主なポイント
- リスクベース思考や顧客満足、継続的改善などを重視 
- 設計から製造・サービスまで含む“一貫した品質マネジメントシステム”が対象 
- 具体例: 不良率削減だけでなく、クレーム対応やリスク管理なども含め総合的に品質を高める 
3.2. 設計開発要件を含む総合的な品質マネジメント規格
- ISO9001は、設計を行わない企業でも“設計要件を適用除外”で対応可能→ かつ将来設計部門を作ってもそのまま拡張しやすい。 
- 事例(サービス業B社): コールセンターしかないが、ISO9001で適用除外しつつ認証取得→ 後に新サービス立ち上げ時もスムーズに要件を追加 
4. ISO9002とISO9001の違い:わかりやすい比較ポイント
4.1. 設計要件の有無
- 旧ISO9002: 設計開発がない企業向け規格→ 要件を省略 
- ISO9001: 設計〜製造・サービスまで全工程→ 総合的に品質管理 
- 経験談: 90年代後半に「設計なし」の会社はISO9002を選ぶのが一般的だった 
4.2. 運用範囲の広さ
- ISO9002: 生産・施工中心。顧客対応や設計を含まないため範囲が限定的 
- ISO9001: “製品やサービスが完成し顧客へ届くまで”をトータルにカバー→ 顧客満足やリスク管理も含む 
- コンサル視点: 現在は1つの規格ISO9001が、設計有無も含めて全面対応できるようになった 
4.3. 現行規格の統合:ISO9002の廃止状況
- 2000年以降、ISO9002は廃止→ 認証機関も対応なし 
- 他社例(製造業C社): 旧ISO9002から更新時にISO9001へ移行→ 設計要件が無くても問題なく運用 
5. 今、ISO9002を取得できる?最新の規格対応
5.1. ISO9002の認証は既に廃止
- 今は認証不可→ 全部ISO9001で運用する時代 
- 補足: かつてISO9002を持っていた企業も更新時にISO9001へ移行必須→ 実質的にISO9002は存在しない 
5.2. ISO9001があれば十分:設計有無関係なく対応可能
- 設計がない場合は設計要件を除外し、ISO9001を認証取得→ もし後で設計を始めても簡単に拡大できる 
- コンサルTIP: 各要件を自社状況に合わせて適用除外可能だから、ISO9001が柔軟にマッチ 
6. ISO9001を導入するメリット:旧ISO9002組織の視点
6.1. 設計要素の追加で幅広い顧客要求に対応
- 設計を含む体制なら顧客ニーズを上流から把握しやすい→ 競合優位性UP 
- 製造業D社: 下請け製造だけやっていたが、顧客向け製品の設計サポートも開始→ ISO9001の設計要件を活かしてスムーズに運用拡張 
6.2. リスクベース思考や顧客満足向上へのアプローチ
- 2015年版ISO9001はリスクや機会への取組みを強化→ 不具合削減だけでなくチャンス創出が可能 
- 事例(サービス業E社): クレーム多発リスクを分析→ 新サービス開発の機会に変換し、顧客満足度UP 
6.3. 外部審査での評価・国際的認知度
- ISO9001は世界中で通用する“品質保証の標準”→ 大企業・海外取引先に信用アピールしやすい 
- 経験談: ISO9002といっても現在通じない、説明も面倒→ ISO9001なら“ああ、あの国際規格”とすぐ理解 
7. よくある疑問と対策:ISO9002からISO9001へ移行するときは?
7.1. 設計がない企業でもISO9001要件を満たせるか?
- 解説: ISO9001の設計開発要件を“適用除外”にすれば問題なし→ 製造工程やサービス工程のみを評価 
- コンサル視点: 適用除外部分を明確にしておくと審査でもスムーズ 
7.2. ISO9002の仕組みを持っていた企業は何に注意?
- 2000年版以降、プロセスアプローチなど概念変更あり→ 旧文書を更新して最新規格に合わせる 
- 製造業F社: ISO9002時代のマニュアルを改訂→ リスクベース思考を追加し合格 
7.3. 内部監査で設計要素はどう扱う?
- 設計が無いなら対象外、あるなら「要求仕様の反映度」「変更管理」など設計特有の項目を重点確認 
- 実例(IT企業G社): 開発プロセス監査に設計要件を追加→ バグ低減や顧客満足UPに直結 
8. 実務事例:ISO9001導入で旧ISO9002の機能もカバーし成果を出した企業
8.1. 製造業H社:旧ISO9002からの移行で顧客対応力アップ
- 背景: 以前は受託生産のみ→ ISO9002で製造工程を管理 
- 移行: ISO9001へ変更→ 設計支援の要件を取り込み、顧客の設計段階から参画 
- 結果: 付加価値が高まり、受注単価UP&外部監査でも良好評価 
8.2. サービス業I社:設計工程なしでもISO9001導入でプロセス向上
- 内容: 顧客サポートと施工のみ→ 設計要件を除外 
- 効果: クレーム管理やサービス品質指標を導入→ 問題解決スピードが上がりCSアンケート改善 
- 外部審査: “適用除外が正しく設定され、運用されている”と評価 
9. まとめ:初心者向け!ISO9002とISO9001の違いとは?わかりやすくポイントを徹底解説
9.1. 記事の総括:ポイントの再確認
- ISO9002の背景: かつて“設計を除いた製造・施工企業用”として存在→ 2000年版以降はISO9001へ統合 
- ISO9001との違い: ISO9001は設計含む総合規格。ISO9002は設計要件なし→ いまは取得不可 
- 現行規格の取扱い: ISO9002は廃止→ 全てISO9001へ一本化。設計が無い場合は要件を除外 
- 実務メリット: リスクベース思考や顧客満足度を重視→ コスト削減や新サービス開発など機会拡大 
- 移行時の注意点: 過去の文書を最新規格に合わせ改訂、適用除外を明確化→ 内部監査や外部監査で混乱を防ぐ 
9.2. 今すぐできるアクション:初心者が意識すべきステップ
- ISO9002の認証取得は不可: すでに廃止→ ISO9001で対応 
- 設計有無で要件調整: 設計しないなら要件除外可→ 将来設計を始めるなら拡張 
- 内部監査で運用実態を確認: 旧文書が残っている企業は最新規格(2015年版)に合うよう整備 
- 外部審査の準備: “ISO9001でやります”と宣言し、リスクマネジメントや顧客満足度管理も含めたPDCAを構築 
- メリットを活かす: 設計要素や顧客要求管理で、品質の幅が広がりビジネスチャンス増加 
あとがき
ISO9002は以前、設計を行わない企業向けの品質規格として使われていましたが、2000年版改訂でISO9001に統合され、現在はISO9002自体が廃止されています。設計部門がない企業でも、ISO9001を導入する際に「設計要件を適用除外」すれば問題なく運用可能です。むしろ、設計を含む総合規格であるISO9001のほうが、リスクベース思考や顧客満足向上など最新のポイントをカバーしており、企業の品質力や競争力をさらに高めるチャンスといえます。本記事で紹介した違いや実務でのメリット、移行時の注意点を参考に、ぜひ自社の品質マネジメントをより強化・発展させてください。ISO9001のフレームワークを活用し、クレーム削減や新規ビジネス獲得など大きな成果につなげていきましょう。
この記事の監修者情報
金光壮太 (ISOコンサルタント)
大手商社にて営業を経験した後、ISOコンサルティングに従事。ISO9001、14001、27001を中心に、各業界の課題や特性に応じたシステム構築や運用支援を行い、企業の業務効率化や信頼性向上に貢献。製造業や建設業など、多岐にわたる業界での豊富な経験を活かし、お客様のニーズに応じた柔軟なソリューションの提案を得意としている







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