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ISO9001内部監査で経営者が聞かれる質問例と失敗しない答え方を解説!

  • 執筆者の写真: 【監修者】金光壮太(ISOトラストのコンサルタント)
    【監修者】金光壮太(ISOトラストのコンサルタント)
  • 1 日前
  • 読了時間: 8分

ISO9001内部監査で経営者が聞かれる質問例と失敗しない答え方を初心者向けに解説。実務に役立つポイントや対策も紹介!

▼ 目次


ISO9001内部監査で経営者が聞かれる質問例と失敗しない答え方を初心者向けに解説。実務に役立つポイントや対策も紹介!

1. はじめに

1.1. 本記事の目的と想定読者

ISO9001の内部監査を進めると、必ずといっていいほど“経営者へのインタビュー”が行われます。ここでは、**トップマネジメント(社長や役員など)**がどの程度品質マネジメントに関与しているか、戦略やリソース配分、リスク管理をどう考えているかが見られることになります。

  • このような方におすすめ:

    1. 「内部監査で経営者はどんな質問をされるの?」と知りたい方

    2. 「どう答えれば不適合を避け、審査員に好印象を持ってもらえるか」悩んでいる方

    3. これからISO9001を導入したいが、内部監査の仕組みや経営者の役割がピンとこない初心者

本記事では、ISOコンサルタントとしての視点から、経営者向けによくある質問例答え方のポイント、そして失敗事例と対策を具体的に解説します。

1.2. なぜ経営者への質問がISO9001内部監査で重要?

ISO9001の規格では、トップマネジメントの責任とリーダーシップが大きなウエイトを占めています。経営者自身が品質方針やリスク管理にコミットしていないと、組織全体で品質改善を継続するのは難しいからです。

  • 初心者向け用語解説:

    • 内部監査: 企業内で、自分たちのISO9001運用が規格や社内規定を守っているかをチェックする活動。

    • トップマネジメントレビュー: 経営者レベルが品質目標や業務の成果を振り返り、改善や方針を検討する場。



2. 経営者が押さえておくべき内部監査の基礎

2.1. 内部監査の目的と役割

内部監査とは、外部の認証機関が行う審査とは別に、自分たちで自分たちの品質システムを点検する活動です。これには以下のようなポイントがあります。

  1. 不適合を事前に発見し、是正措置を打つ: 外部審査で大きな問題が見つかる前に、社内で改善できる。

  2. 運用状態を改善するチャンス: 現場の実情を経営層が理解し、リソース配分や方針を見直すきっかけとなる。

2.2. 経営者が果たすべき役割

経営者には、品質方針や目標を定め、会社全体がそれを実現するために必要なリソース(予算・人材・設備など)を決定する責任があります。

  • 他社事例: ある製造業では、内部監査で「品質検査ラインが人手不足」と指摘→ 経営者が追加採用や検査設備増強を即決→ 不良率が短期間で改善。

2.3. リスクベース思考との関係

ISO9001:2015版では、リスクと機会への対応が強調されています。経営者こそ、全社的なリスク(設備投資・市場変化・人材不足など)を把握し、品質のリスクと連動させているかが問われます。



3. よく聞かれる質問例:経営者が想定すべき内容

3.1. 品質方針・目標に関する質問

  • : 「品質目標はどうやって決めたの? それを社員へどう伝えている?」

  • 答え方: 経営計画との整合性を強調し、たとえば“不良率○%以内”など数値目標を掲げ、コミュニケーション方法(朝礼・全体会議など)を説明すると説得力が増す。

3.2. リソース配分や支援の質問

  • : 「品質目標達成に向けて、どんな人材育成や設備投資を行っていますか?」

  • 実例: “年度予算内に研修費を○円、設備投資に○円を割り当てる”など具体的に示す→ 経営の意志と判断基準がわかりやすく、内部監査員も納得しやすい。

3.3. リスクと機会の把握に関する質問

  • : 「事業上のリスクは何がある? どう対策している? 逆にどんな機会を捉えている?」

  • プロの視点: “リスク評価表”や“SWOT分析”を事業計画と合わせて示し、最重要リスクにどれだけ経営者が注力しているかを語る。

3.4. マネジメントレビュー(経営レビュー)の実施状況

  • : 「レビュー会議はいつ開催? 出た改善提案をどうフォローしている?」

  • 成功例: “月1回or 四半期ごとにレビューを開き、議事録にアクションアイテムを設定→ 次回までにフォローアップ”と説明すると合格点。



4. 失敗しない答え方:経営者に必要な対応と心構え

4.1. “数字”と“事実”で裏付けを示す

経営者の答えが感覚的だと“形だけ”に思われがち。

  • 事例: 不良率推移グラフ、クレーム件数の変化、売上や再購入率などを見せながら答えると監査員も評価しやすい。

4.2. 社員理解を示すエピソードを交える

  • コンサルTIP: 単に「品質目標を作った」だけでなく、どんな社内ミーティングや現場ヒアリングを行ったか、具体的ストーリーで語ると“経営者が現場を理解している”と印象づけられる。

4.3. 改善の具体的な進め方を説明

  • : 「問題発生→ 原因分析→ リーダー会議→ 改善策決定→ マネジメントレビュー承認」という流れがあるなら、ステップを簡潔にまとめ、担当部署と期限をどう管理するか示す。


ISO9001内部監査で経営者が聞かれる質問例と失敗しない答え方を初心者向けに解説。実務に役立つポイントや対策も紹介!


5. 経営者が注意すべき“落とし穴”:内部監査で起こりがちな失敗談

5.1. 「全部現場に任せています…」と他人任せの回答

  • 失敗例: 監査員に「トップが品質に無関心」と捉えられる→ 不適合リスク

  • 対策: 自社の品質方針や数値目標、現場の主要課題を少なくとも把握→ 自分の言葉で語れるレベルにしておく

5.2. マネジメントレビューが形だけ

  • 事例: 会議を開いても議事録やアクションプランがない→ “形骸化している”と見られ不適合リスク

  • 成功ポイント: レビュー議事録をしっかり残し、決定事項は各部署へ周知→ 次回レビューで進捗を確認

5.3. リスク管理が漠然として具体策に落ちていない

  • : 「市場の変化を見ています」と曖昧に答える→ 監査員から“具体的リスクと対策を教えて”と追及

  • コンサルTIP: 市場リスク、技術リスクを具体的に羅列し、優先順位と対応策(研修・投資・提携など)を語る



6. 内部監査当日の流れ:経営者はどう応対すべき?

6.1. 事前準備と打ち合わせ

  • 品質目標の実績値、クレーム数や不良率、コスト指標など、経営者が説明すべきデータをまとめる

  • 他社事例: 製造業X社では監査1週間前にトップと管理者で打ち合わせ→ 予想される質問と回答をシミュレーション

6.2. 監査員との面談の進め方

  • 監査員が最初に聞くのは「経営者の品質への意識」。自社のビジョン品質方針を自信をもって答える

  • 失敗例: 書類が出てこない、担当者に丸投げ→ “トップのリーダーシップ不足”と見られがち

6.3. 面談後のフォローアップ

  • 監査で指摘された点や提案を速やかに経営者自ら確認→ 優先度を決め改善措置を実行

  • 事例: 「クレーム対応体制が曖昧」と指摘→ 直後に社内プロジェクトチームを編成し、新ルールを導入→ 次の監査で高評価



7. まとめ:初心者向け!ISO9001内部監査で経営者が聞かれる質問例と失敗しない答え方を解説

7.1. 記事の総括:ポイントの再確認

  1. 経営者への質問がISO9001内部監査で重要な理由: トップマネジメントのリーダーシップとコミットメントが規格の柱

  2. よくある質問例: (a)品質方針・目標の設定と周知 (b)リソース配分・支援策 (c)リスクと機会の把握 (d)マネジメントレビューの実施状況

  3. 失敗しない答え方: (a)数値や実績で裏付け (b)社員理解のエピソード (c)改善プロセスを具体的に

  4. 落とし穴: 他人任せ回答、形式的マネジメントレビュー、リスク管理が曖昧

  5. 内部監査当日の流れ: (a)事前準備 (b)面談対応 (c)フォローアップの迅速化→ “トップが品質を本気で考えている”とアピール

7.2. 今すぐできるアクション:初心者が意識すべきポイント

  1. 品質方針・目標を自分の言葉で語れるようにする: 数値や計画も押さえておく

  2. リソース投資や研修の事例を明確に: “どんな予算をどう使ったか”が具体的だと説得力UP

  3. リスクと機会を事業計画と紐付け: “市場リスク”“技術リスク”“要員リスク”などをリスト化

  4. マネジメントレビューを実質的に運用: 議事録・アクションアイテムの作成とフォロー徹底

  5. 内部監査後の改善をPDCAで回す: 指摘や提案を素早く検討→ 社員と共有し改善→ 次回監査で評価が上がる

あとがき

ISO9001の内部監査での経営者インタビューは、監査員が「トップが品質管理にどれだけコミットしているか」を見極める重要ポイントです。経営者が品質方針やリスク対策をしっかり把握し、社員とのコミュニケーション事例も交えながら答えられれば、内部監査でも高評価を得やすいでしょう。本記事で紹介した質問例答え方のコツを踏まえ、まずは数値目標や社員浸透策、リスク評価の資料を整理し、内部監査当日に自信をもって説明できる状態にしてみてください。経営者が先頭に立って品質を守る姿勢を示せば、組織全体の意識向上顧客満足度アップにも直結し、ISO9001のメリットを存分に引き出せるはずです。

ISO9001内部監査で経営者が聞かれる質問例と失敗しない答え方を初心者向けに解説。実務に役立つポイントや対策も紹介!

この記事の監修者情報

金光壮太 (ISOコンサルタント)

大手商社にて営業を経験した後、ISOコンサルティングに従事。ISO9001、14001、27001を中心に、各業界の課題や特性に応じたシステム構築や運用支援を行い、企業の業務効率化や信頼性向上に貢献。製造業や建設業など、多岐にわたる業界での豊富な経験を活かし、お客様のニーズに応じた柔軟なソリューションの提案を得意としている

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