【2026年10月更新】ISO14001:2026の改訂内容とは?主な変更点と移行対応をやさしく解説

更新日:1 日前

▼目次
2026年10月31日更新。正式発行された規格と公開されている公式案内に基づき、本文全体を見直しました。
「ISO14001が変わったと聞いたけれど、何を確認すればいいの?」という担当者の方向けに、今回の改訂と移行の進め方をやさしくまとめます。
1. ISO14001:2026は発行済み。まず知っておきたいこと
1-1. 2026年4月15日に新しい規格が発行されました
ISO14001:2026は、2026年4月15日に発行された環境マネジメントの国際規格です。2015年版を見直した第4版にあたります。以前の記事にあった仮称や発行時期の予測ではなく、正式に発行された規格をもとに対応を考える段階です。
環境マネジメントとは、仕事で使う資源や、排水・廃棄物などの環境への影響を把握し、改善していく仕組みのことです。新しい版になっても、この基本的な目的は変わりません。
1-2. すべてを一から作り直す必要はありません
今までの環境側面の評価や環境目標、点検、内部監査などは、引き続き活かせます。まずは「新しい規格と今のやり方に、どんな違いがあるか」を調べましょう。使えている書類を全部作り直すより、足りない部分を見つけて直すほうが進めやすくなります。
2. 2015年版から変わった主なポイント
2-1. 自社に関係する環境の変化を、広く見る
気候変動だけでなく、水や空気の汚染、資源の手に入りやすさ、生物多様性など、考慮する環境状態の例がより明確になりました。すべての問題に同じ対策をするのではなく、自社の場所や仕事内容との関係を確認します。
例えば、水を多く使う工場なら水不足、屋外作業のある会社なら猛暑や豪雨による影響も、検討のきっかけになります。「社会で話題だから」だけでなく、どの業務に関係するかまで考えてみましょう。
2-2. 製品の前後の流れや、取引先にも目を向ける
材料の調達から製造、配送、使用、処分までをつなげて考える「ライフサイクルの視点」が、いっそう明確になりました。自社の敷地内だけで考えず、管理できることや影響を及ぼせることを整理します。
例えば、包装を変えると自社のごみが減っても、配送時の破損が増えるかもしれません。購入先や配送先を含めた流れの中で、どんな影響があるかを確かめる視点が大切です。
2-3. リスクと機会、変更の進め方が整理されました
リスクと機会への対応の流れが整理され、「6.3 変更の計画策定」という箇条が設けられました。設備や材料、外部に頼む業務などが変わるとき、環境への影響も先に確認して、計画的に進める考え方です。
3. 気候変動への対応と2024年の追補との関係
3-1. 気候変動への配慮は、2026年に初めて始まったものではありません
ISO14001:2015には、2024年に気候変動に関する追補が発行されています。2026年版を確認するときは、2024年の追補で既に対応していることと、今回見直すことを分けて整理すると、同じ作業を繰り返さずに済みます。
3-2. 自社の業務と結び付けて考えるのが出発点です
まず「天候や資源の変化が仕事に影響するか」「自社の仕事が環境にどんな影響を与えるか」を考えます。例えば、豪雨時の保管物の流出や、原材料の調達の難しさなどです。
難しい資料を増やすことから始める必要はありません。関係する部署に話を聞き、今ある環境側面の一覧や、課題の整理に反映できるかを確認しましょう。
4. 移行スケジュールと認証機関への確認事項
4-1. 規格の発行日と、自社の審査日は別です
新しい規格が発行されたからといって、2015年版の認証がその日に一律に失効するわけではありません。認証を継続する企業は、適用される移行期間の中で、新しい規格への対応と審査を進めます。
DNVは2029年5月より前の移行が必要となる旨を案内しています。ただし、自社に適用される締切、審査の申込期限、審査可能日は、契約している認証機関の正式な案内で確認してください。最終月に申し込めば間に合うと考えないことが大切です。
4-2. 最初に聞いておきたい4つのこと
確認するのは、①自社の移行完了期限、②維持審査や更新審査と同時に受けられるか、③事前に必要な運用記録、④追加の審査時間と費用です。回答を受けてから、社内の担当者と作業日程を決めます。
環境担当者だけで日程を決めず、設備管理や購買、各現場の責任者にも、どの作業で協力が必要かを早めに共有しておきましょう。
5. 初めての担当者向け。移行対応の5ステップ
5-1. 違いを確認し、直すところを一覧にする
最初に2026年版を確認し、「今のやり方で対応できる」「直す必要がある」「まだ判断できない」に分けます。一覧には、変更点、関係部署、対応すること、担当者、期限を記入すると整理しやすくなります。
5-2. ルールを直し、関係者に伝える
例えば、設備を入れ替える前の確認表に、排水や廃棄物への影響を確認する欄を加える方法が考えられます。書類を直したら、使う人に変更理由と記入方法を伝えましょう。これは説明用の例であり、すべての会社に同じ様式が必要という意味ではありません。
5-3. 実際に運用し、内部監査と経営層の確認につなげる
新しいルールで業務を行い、記録を残します。内部監査では、変更点が現場で実行できているかを確認し、困ったところがあれば直します。その結果を経営層の確認につなげ、必要な支援や改善を決めてから移行審査へ進みます。
6. 見直す書類と、現場での確認例
6-1. 環境側面・環境目標・変更時の確認ルール
環境側面の一覧、環境目標と計画、関係する法令などの管理表、外部提供者への依頼事項、変更時の確認手順などが、見直し候補になります。書類の名前よりも、必要な情報が仕事で使えるかを見てください。
例えば、新しい洗浄剤を使うなら、購入する前に保管方法や排水への影響を確認し、必要な対策を決める、といった流れが考えられます。担当者が交代しても迷わず確認できる形にすると、普段の管理にも役立ちます。
6-2. 教育・訓練の記録も、変更した内容に合わせる
連絡先、備品、保管物などが変わった場合は、教育や緊急事態対応訓練にも反映します。以前の訓練をそのまま繰り返すのではなく、今回変えたルールを試せる内容になっているかを確認しましょう。
7. ISO14001:2026への移行でよくある質問
7-1. 環境マニュアルは全部作り直しますか?
一律に全部作り直す必要はありません。現在の文書と運用を確認し、新しい要求に合わない箇所を修正します。項番だけを変えて、仕事のやり方が古いままになっていないかにも注意しましょう。
7-2. 何カ月運用すれば移行審査を受けられますか?
すべての会社に共通する月数だけで判断することはできません。変更内容を実際に運用し、内部監査やマネジメントレビューを含めて何が必要か、認証機関に確認します。
7-3. ISO9001と一緒に見直せますか?
ISO9001も2026年9月に新しい版が発行されています。文書管理や教育など、共通する仕事はまとめて整理できる場合があります。ただし、品質と環境それぞれの変更点を確認し、片方だけの対応で済ませないようにしましょう。
7-4. 費用はどの会社も同じですか?
拠点数、業務、変更する範囲、審査の組み方などによって変わります。「改訂対応一式」という金額だけでなく、審査費、社内作業、教育、外部支援を分けて確認すると比較しやすくなります。
8. まとめ。発行済みの規格をもとに、必要な変更から進めましょう
ISO14001:2026は既に発行されています。今取り組むのは、発行時期を予測することではなく、新しい内容と自社の仕事の違いを見つけ、必要な変更を実行することです。
まずは認証機関の移行案内を確認し、担当者と期限を決めてみましょう。使えている仕組みは活かし、変更点の確認、ルールの見直し、教育、運用と点検を一つずつ進めることが、無理のない移行につながります。
確認した主な公式情報
自社で何を見直すか迷ったときは、ISOトラストへお気軽にご相談ください。
著者情報
金光壮太 (ISOコンサルタント)
大手商社にて営業を経験した後、ISOコンサルティングに従事。ISO9001、14001、27001を中心に、各業界の課題や特性に応じたシステム構築や運用支援を行い、企業の業務効率化や信頼性向上に貢献。製造業や建設業など、多岐にわたる業界での豊富な経験を活かし、お客様のニーズに応じた柔軟なソリューションの提案を得意としている。





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